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上司が動いてくれる
新人がやっていること
Q.営業で上司に同行をお願いしたい!
例
× 「お客様のアポに同行していただけませんか?」
○ 「大きな契約を狙えるアポへの同行お願いします」
仕事で上司を動かしたい場合があります。
人を動かす必要があるのは、何もリーダーやマネジャーだけではありません。
人を動かす立場になったからその必要性がでるのではなく、そもそも人を動かすことが上手い人がリーダーやマネジャーに抜擢されるのです。
だから、人を動かすための伝える技術は、新人の頃から身に付けるべきです。
以前こんなことがありました。
「羽田さん、僕が絶対に契約を決めたいお客様がいるのですが、そのお客様は経営センスが抜群で、ロジカルも強いんです。このお客様は羽田さんでないと対等に話ができないと思うので、是非アポに付いてきていただけませんか?」
私は、新人の部下からこう持ちかけられて、二つ返事で了承しました。了承したどころか、ちょっと気分も良くなり、この新人のためなら、何でも協力してあげようという気持ちにもなっています。
ここで重要なのは、単にお願いをするだけではありません。
今回の悪い例の場合、「お客様のアポに同行していただけませんか?」だけだと、自分自身の意志も無く、なぜ上司が同行しなくてはいけないかの理由もないので、わざわざ同行する動機が生まれません。
しかし、伝え方を変え「大きな契約を狙える」と付けるだけで、上司が同行する意味も生まれ、自部署に大きな利益をもたらす契約なら動こうという動機も形成されます。
私を動かした部下は、私の特性をしっかり掴んで、理由と動機を強めた上に、「羽田さんでないと対等に話ができないと思うので」と、私のプライドまでくすぐって気分良くさせています。
後日、その彼が「羽田さんは褒めれば簡単に動くから」と同僚に話しているのを聞いてしまいましたが、褒めどころを分かっているので良しとしましょう……。
このように先輩や上司を動かすことができれば、まだまだ自分には受注する営業能力が無くても、契約を取ることができます。最終的なクロージングは、先輩や上司が動いてくれたおかげだとしても、「実績」は間違いなく自分に付き、評価もされるのです。
もちろん、リーダーやマネジャーに昇格した時も、部下を動かす力と同時に、上司を動かす力がその人の成果となり返ってきます。自部署の利益になるように、会社を動かし上司を動かすことができる人が、結果的にその部署の成果も上げられます。
また、部下の不満の大きな要素として、「うちの上司は全然上にモノが言えない」というものがあります。下にばっかり偉そうにしていても、上にモノが言えない上司は評価されません。
若手の頃から、どのように上司に伝えればいいのか、そして、どのように上を動かすことができるかを考えて行動することで、大きく成長できるのではないでしょうか。
FM802でも人気のDJが
契約件数ゼロの経験でわかったこと
私がなぜ、本書を書こうと思ったのかの原体験にもなりますが、少し、私の経験をお話しさせてください。
私は、大学4年の時からラジオの仕事に夢中になり、卒業後は地元のラジオ局に入り、その後、大阪(FM802)、名古屋(FM愛知)、文化放送と、ラジオパーソナリティとして自身の番組を持って活動していました。
しかし、31歳の時に帯の番組が突然終了したのです。当時はラジオDJとして生きていく自信を失い、放送以外の社会を全く知らない自分が、番組でも何を根拠に喋っているのかが分からなくなりました。
そこで、社会勉強のためにビジネスの世界に飛び込み、まずは投資用不動産の営業マンとして第2の人生をスタートしました。
私自身は、話すことを職業としていましたし、ラジオでは芸能人から文化人、経済人、一般のリスナーまで大勢の人とトークをした経験から、コミュニケーションには自信がありました。ですから、不動産も簡単に売れるだろうと高をくくっていたのです。
しかし、現実はそう甘くはありません。
結果、入社してから365日間、売り上げゼロを経験し、プライドはズタズタになりました。いい大人がトイレの個室に入り、声を殺しながら悔し涙を流したこともありました。
いくら、お客様と仲良くなっても、高額商品は売れないのです。
「相手に伝える」、その結果「相手に動いてもらう」には何が必要なのか? 私は一念発起して、いろいろな本を読み漁り、実践を繰り返し、自分なりの理論を導き出しました。
その結果2年目には、年商500億円の会社で1位、つまりトップ営業となることができたのです。そして、それが縁で、お客様に誘われ眼鏡会社の役員に就任し、経営も含めたビジネスの基本を身に付けることができました。
こうした経験から実感したのが、相手のキャラを見きわめて15秒で伝える必要性です。
ラジオDJ時代に培った端的に伝える技術と、営業や経営、講師経験で身に付けた、相手のキャラを見きわめて伝える技術を掛け合わせることで、自分自身も大きく変わりました。
独りよがりで長々と説明しても相手には伝わりません。
人を動かす言葉は、いつも端的。「15秒で伝える」力は、最大の武器になります。この武器を身に付け、是非、あなたも多くの人を動かし、成果を最大化させるビジネスパーソンになってください。
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